アメリカのリーディング・メソッド

音楽ライター山本美芽が、アメリカ在住の5年間に学んだリーディングメソッドについて綴ります。

カルフォルニアで失われつつある公立小学校低学年の少人数クラス編成

ひとクラス20人ちょっと。

娘が小学校に入って、その人数の少なさに驚きました。

うちの娘だけじゃなくて、お友達の小学校も、みんな小学校3年生までは、ひとクラス20人ちょっとでした。

子どもが多い時代に育ち、ひとクラス40人学級でずっと小学校も中学校も過ごした私から見ると、22人というのが、とてもアットホームでいいなとうらやましかったです。

先生とも話す余裕があるし、教室の中も混んでいないし、いろんな備品を使おうと思ったときに並んだり待ったりする回数も少ないし、すごくいいなといつも感心していました。

ところが、不況によるカリフォルニア州の財政危機で、予算カット、先生のレイオフの話がもちきりになり、低学年の少人数クラスもついに、維持できなくなってきました。

2010年の秋、新学期になって、小学2年生になった娘のクラスは、28人。
小学1年生も、25人以上のクラス編成になっています。

そもそも、22人という少人数のクラス編成というのが、ものすごい多額の人件費をつぎこんで、リーディングの力を伸ばすために行われてきた大プロジェクトだったのです。

この「カリフォルニア・ウォッチ」のFAQ記事によくまとまっているのでこちらから概要をちょっと引用してみます。
http://www.centerforinvestigativereporting.org/articles/faqhowclasssizereductionworksincalifornia

幼稚園年長・小学校1・2・3年生について、先生ひとりに対してひとクラス20人にしようというクラスサイズ削減プログラムが始まったのは、1996年のことでした。

その事典で、28.6人がクラス平均の生徒の人数でした。

テネシー州で、「13-17人のクラスで教育を受けた生徒は成績がよい」という研究結果が出たことがきっかけで、このプログラムが始まりました。

これには多大な人件費がかかり、2007−2008年の州予算で、1.8ビリオン=18億ドルが費やされています。

class size reduction california reading effect と検索して出てきた中でも、ティーチャーズアソシエーションの記事のなかに、「どうしてクラスサイズを小さくするのがいいのか」という話がよくまとまっています。

http://www.cta.org/Issues-and-Action/Class-Size-Reduction/Index.aspx

クラスサイズ削減プログラムを実施したロサンゼルスの学校では、リーディングのスコアが9.5パーセント伸び、数学のスコアが13.9パーセント伸びた(2001年4月)。などのいろいろな結果も出ています。

なるべく先生と1対1のかかわりを増やせるように、人数が少ないほうが成績は伸びるということですよね。特にリーディングはもちろん。

こうやっていろいろ調べていると、結局、大人が1対1で子どもとかかわってあげることが一番子どもの学力をてっとりばやく伸ばすことにつながり、それには多大なコストがかかるんだなと実感します。

もちろん親が1対1でかかわって本の読み聞かせをするのは基本だと思いますが、親だけじゃなくて、他の大人とも、1分でも多く1対1でかかわれる機会を確保することが、学力向上につながるのかなーとか考えちゃいました。