アメリカのリーディング・メソッド

音楽ライター山本美芽が、アメリカ在住の5年間に学んだリーディングメソッドについて綴ります。

クリティカル・シンキングとは何なのか

きのう、日本人の友達のMちゃんに電話したときのこと。

Mちゃんは大学のESLに毎日通っています。ESLとは、外国人の留学生をおもに対象にしていて、英語ができないのをなんとかできるようにするクラスです。レベル別に9段階に分かれていて、新学期になって、Mちゃんはばっちり上のクラスになったとか。

「どう? 上のクラスになって難しくなった?」
「もー大変なんですよ」
「ねえねえ、5パラグラフエッセイとか書かされてる?」
「いや、4パラグラフですね。5じゃなくて。真ん中の部分が2つなんですよ。でも3つになってもいいんですけど」
「へぇー。それと、クリティカル・シンキングとかの話、先生から聞く?」
「あ、それは毎日言ってますね、大事だって」
「レベルが上がる前のクラスでも、クリティカルシンキングの話はしてた?」
「いえ、今の新しい上のクラスになってから、急によく聞くようになりました」

ということで、ううむ、やっぱりどこに行っても、小学校低学年でリーディングの基盤を固め、その後はクリティカル・シンキングに移行するんだなとわかってきました。

検索してみたら、日本語でわかりやすく解説しているブログ記事がありました。ハワイで日英バイリンガルのお子さんを対象に塾を開いている方のブログです。

http://ameblo.jp/tlcforkids/entry-10521596229.htmlバイリンガル育児コラム その8 考える力を育てる|移民英語教育!バイリンガル教育!国際人教育!多文化教育!

「なぜそう思うのか?」「あなたの考えは何か?」

本を読んだあとのイエロー・クエスチョン、そしてレッド・クエスチョンというのが、まさにクリティカル・シンキングにつながっているんですね。

 いま思えば、拙著「りんごは赤じゃない」で書いた太田恵美子先生の授業は、かなりクリティカル・シンキングの要素を持っていました。

 スケッチブックいっぱいに、まず調べる。スケッチブック2−3ページでも、1冊でもいいから、自分の限界まで調べる。

 そして調べたあとに、「自分はどう思うのか」「その理由」を作文に書かせる。そして自分の表現したいことを、絵に表す。

 ただ本物そっくりに写真みたいな絵を描くテクニックも、それはそれですばらしいのかもしれませんが、太田先生が生徒に求めていたのはそういうことではなくて、自分がどう思うのか、自分の表現したいものをつくって、それを表現させるということでした。

 中学生になるまで、自分がどう思うか、意見をいうチャンスがなかった子どもたちは、意見を言えるようになるまで、ずいぶん苦労していたものです。

 リーディングからはちょっと離れてしまいましたが、クリティカル・シンキングの話も、面白いので、もっと調べてみたいと思っています。