「ヘミングウェイの妻」が詠み終わってから、今度は"Wild"という本をアメリカのギャラント先生と毎週電話で一緒に読んでいます。主人公のシェリルは、母をなくし、結婚したけれどすぐに離婚、仕事も転々とし、ドラッグにも手を出し、心身ともに自暴自棄になっていたのですが、ふとパフィシック・クレスト・トレイルを歩こうと決めます。これはメキシコ国境からカナダ国境までの続く山のなかを続くトレイルです。
途中出てくるシエラネバダ山脈や、レイクタホ近辺は、アメリカに住んでいたころサクラメント方面から日帰りで行けたので、よく週末に訪れました。あの人気のない深い森を、ひとりで女性が歩くっていったい・・・。
まだ読み始めですが、作者のシェリルはなかなかのユーモアの持ち主で、自分のことを客観的に述べる視点にはときどき胸が痛むこともあれば噴出すほど面白いことも。あれもこれもと心配して詰め込んで死ぬほど重くなってしまったリュックサックを「モンスター」と呼んでいたりとかですね。アメリカの風景が懐かしく思い出され、また、アメリカ社会のなかで比較的厳しい状況にある女性がどうやって生き抜いていくのか、実にリアルに描かれています。果たしてシェリルはトレイル全部を走破できるのでしょうか。
Wild: From Lost to Found on the Pacific Crest Trail (Oprahs Book Club 2.0)
- 作者: Cheryl Strayed
- 出版社/メーカー: Knopf
- 発売日: 2012/03/20
- メディア: ハードカバー
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