アメリカのリーディング・メソッド

音楽ライター山本美芽が、アメリカ在住の5年間に学んだリーディングメソッドについて綴ります。

渡米後2年半でハリーポッターを読破したT君(1)

娘が仲良しのお友達、Mちゃん。彼女のお兄ちゃんのT君は、2年生の夏休み明けにアメリカに来て、4年生の春ごろには、ハリーポッター全巻を英語で読破していたそうです。

ほとんどゼロの状態からのスタートだったかといえば、そういうわけでもなく、日本でも英語塾に通って、週に1度、1時間の指導を受けていたそうです。アルファベットの読み書きはできて、Do you −とか、Can you−とかのおよそ中1レベルの文章の意味はわかっていました。
それと、2歳のとき7ヶ月だけイギリスにお父さんが駐在になって、そのころネイティブの英語をたくさん聞く機会があったそうです。

まあゼロではないのですが、しかしだからといってアメリカの小学校にいきなり行っても、まわりが言っていることはほとんどわからない。明日もってくるものなども、まったくわからないので、毎日お母さんが帰りに先生に確認しているような状況だったとか。お母さんもアメリカに来たばかりで、思うように英語ができず、お母さんも必死だったそうですが。

朝、勝手にすきな本を読んでいい時間に、最初の1ヶ月ぐらいは日本語の本でいいということで、日本語の本を読んでいたそうです。しかし1ヵ月後ぐらいからは、英語の本を読む、といって読み始めたとか。

そこからとにかく、Tくんは英語の本を読み続けたそうです。

アメリカに来て1年後、こちらでは4thグレード(日本では3年生)のとき、9月から11月に読んだ本のリストをお母さんが見せてくれました。

Tくんの学校はアクセラレーテッド・リーダー(AR)を導入していて、先生の手元に子どもが読んだ本の記録が全部残っており、それを面談のときにもらったのだそうです。

9月4日から11月3日までで、25冊。ぜんぶマジックツリーハウスですね。

週に2−3冊読んでいるペースです。

読むときには、辞書はまったく使わないそうです。調べながら読むなんてかったるいことは、子どもにはできない。だから、辞書なしで読める自分にあったレベルの本をとにかくたくさん読む。たくさん読みながら、少しずつ語彙を増やし、読める本のレベルを上げていく。

図書館で全部借りられるから、お金もかかりません。

実によくできたシステムです。

5年生のときのリーディングログも残っているので、見せてもらいました。

そちらは次回に。