アメリカのリーディング・メソッド

音楽ライター山本美芽が、アメリカ在住の5年間に学んだリーディングメソッドについて綴ります。

グループ全体の音読から、それぞれの黙読へ

キンダーガーテン(幼稚園年長)のときには、1クラスをグループ分けして、グループみんなで同じ本を手にとって、みんなで一緒に読んでいました。

そのために、レベル1の本が10冊、レベル2の本も10冊、レベル3の本も10冊というように、同じ本が教室の本棚には膨大に揃っているのです。

小学1年生のリーディングの時間にいくと、まだ、各グループが同じ本を手に取り、一緒に音読している姿が見られます。

でも、1年生のなかでもよく読める子、そして2年生ぐらいになってくると、だんだん「音読」ではなく「黙読」に移行していきます。

そうなると、リーディングの時間には、全員が同じ本ではなく、各自好きな本を選んで読むようになっていきます。

きのうこの秋から小学3年生になった日本人のAちゃんのお母さんと話していたところ、Aちゃんのクラスでは、だいたいみんな黙読になっていて、教室にどっさり置いてある中から、自分の好きな本を選んで読むのだそうです。

それぞれの子が、ARクイズの結果で、いまレベルがいくつだという数字を持っているので、自分に合った数字の本を選ぶようにいわれます。
ピンクと白のかごにしなさいとか、青と赤のかごから選びなさい、とか。

なので、Aちゃんのクラスでは、リーディングの時間には、みんなが黙読して、読み終わった子から順番にパソコンに向かってARクイズを解いていく、そんな静かな様子なのだそうです。

家に持って帰って読む20分のリーディングの宿題のときも、学校で読んでいる本がけっこう長い字ばかりの本なので、同じ本を持ち帰って読ませているとか。

ときどき、グループ全員に同じ本を渡して読ませることもあるそうですが、基本はそれぞれ違う本だということです。

好きな本や興味を持つ本というのはひとりひとり違うものですから、こうしたアプローチはとても自然なものでしょう。

学校の授業で、朝学校に来ていちばん頭がさえている時間に、学習のメイン活動として、各自が自分のレベルに合った本を読んでいるわけですね。