アメリカのリーディング・メソッド

音楽ライター山本美芽が、アメリカ在住の5年間に学んだリーディングメソッドについて綴ります。

電子書籍「帰国子女の英検勉強法」発売になりました!

2006年に渡米、娘の幼稚園通いに、息子を出産、アメリカに慣れてきた2009年ごろから、娘がアメリカで受けた英語教育について書き溜めてきました。

このブログの記事も含め、それらを1冊の本にこのたびまとめました。

取材は2006年のアメリカ滞在およそ5年間、そして現在まで、作業にも1年ほどかけています。

いま自宅で幼稚園児の生徒さんに、マンツーマンでこの本の方法で英語を教えています。ママにも英語を一緒に覚えてもらい、私が娘に教えたようなやり方で日々の生活に英語を取り入れてもらっていて、英語の絵本の読み聞かせなども、ママができるようになり、週に一度30分のレッスンですが、4歳の生徒さん、言葉も覚えたし、少しだけ英語でやりとりができるようになってきましたね。


アメリカで暮らしながら、取材した貴重なノウハウをぜんぶ一挙に公開していますので、是非ご覧ください。




以下アマゾンの紹介文です。この本は、音楽ライターの山本美芽が、2006年からアメリカ・カリフォルニア州で約5年間、自分の娘をアメリカの幼稚園と小学校に通わせながら取材した内容を、まとめた本です。

 帰国子女のように英語を流暢に話し、リスニングでき、らくらく読み、英検も簡単に合格できたら…。
 そんなふうに憧れたことはありませんか。
 
 著者の娘は、アメリカでおよそ5年間生活、帰国後まもない小学3年生のときに英検準2級を受けて合格。二次試験では満点をとりました。

 しかし帰国子女でも、アメリカにいるだけで、なにもしないで英語が話せるようになったわけではないのです。

 膨大な時間、英語を聴く。
 ネイティブスピーカーと1対1で対話する。
 英語で読書する。英語で作文を書く。
 日本語教育を受ける時間を削って、そうした膨大な時間とエネルギーを費やして、身に着けた英語力なのです。

 本書では、帰国子女(幼稚園〜小学生)がアメリカの生活で、どのようにリスニングやスピーキングの力をつけ、読書をしながら語彙を増やしていくのか、そのプロセスをご紹介します。

 それをもとに日本にいながら英語環境を作ることで、英検合格に必要な力を育てることが可能です。
 後半では、教材や家庭教師の選び方も紹介します。
 
 
 なお、本書はブログ「アメリカのリーディング・メソッド」の記事を一部掲載、大幅加筆した電子書籍のための書き下ろしです。

電子書籍は、スマートホンやタブレット(ipadも含む)、パソコンなどで読むことができます。まずは試し読みは無料ですので、是非どうぞ。

パフィシック・クレスト・トレイルに挑んだ若い女性の手記「ワイルド」

ヘミングウェイの妻」が詠み終わってから、今度は"Wild"という本をアメリカのギャラント先生と毎週電話で一緒に読んでいます。主人公のシェリルは、母をなくし、結婚したけれどすぐに離婚、仕事も転々とし、ドラッグにも手を出し、心身ともに自暴自棄になっていたのですが、ふとパフィシック・クレスト・トレイルを歩こうと決めます。これはメキシコ国境からカナダ国境までの続く山のなかを続くトレイルです。

途中出てくるシエラネバダ山脈や、レイクタホ近辺は、アメリカに住んでいたころサクラメント方面から日帰りで行けたので、よく週末に訪れました。あの人気のない深い森を、ひとりで女性が歩くっていったい・・・。

まだ読み始めですが、作者のシェリルはなかなかのユーモアの持ち主で、自分のことを客観的に述べる視点にはときどき胸が痛むこともあれば噴出すほど面白いことも。あれもこれもと心配して詰め込んで死ぬほど重くなってしまったリュックサックを「モンスター」と呼んでいたりとかですね。アメリカの風景が懐かしく思い出され、また、アメリカ社会のなかで比較的厳しい状況にある女性がどうやって生き抜いていくのか、実にリアルに描かれています。果たしてシェリルはトレイル全部を走破できるのでしょうか。

Wild: From Lost to Found on the Pacific Crest Trail (Oprahs Book Club 2.0)

Wild: From Lost to Found on the Pacific Crest Trail (Oprahs Book Club 2.0)

4歳児さんと英語のレッスンをしています

ピアノを習いに来ている4才児さんに、英語も一緒に教えてほしいと依頼をいただき、ピアノと英語、30分ずつレッスンをしています。

まだ始めたばかりですが、こんな本の読みきかせをしています。耳がいいので、何のことかわからなくても真似して言えてしまうので、どんどん言わせています。

My Big Animal Book (My Big Board Books)

My Big Animal Book (My Big Board Books)

Oh, David! (Diaper David)

Oh, David! (Diaper David)

ヘミングウェイの妻(”The Paris Wife"読了)

今年はじめから家庭教師のギャラント先生と、国際電話でリーディングのレッスンで読んでいた”The Paris Wife"、先日読み終わりました。と思ったら、新潮社から翻訳が7月31日に出たのですね。日本語タイトルは「ヘミングウェイの妻」。

といってもアーネスト・ヘミングウェイの妻は4人います。この本では、最初に結婚して一緒にパリに住んで、売れない無名の時代のヘミングウェイと結婚していた、最初の奥さんが一人称で語っています。いろんな奥さんがいて、私はパリの奥さんだったのよ、というニュアンスがタイトルには込められています。

昨年の冬に、ギャラント先生が、アメリカですごく人気で、自分が読んでも面白く、出てくるボキャブラリーもわりと学ぶ価値のあるものだからとすすめてくれて、毎週1章ほどレッスンで精読していました。アメリカに住んでいた頃、フロリダのキーウエストにあるヘミングウェイの家を訪れたとき、シンプルリッチとでもいうのでしょうか、真っ白い壁に緑色の屋根や窓枠、飾り気がないけれどくつろげる上質な部屋があまりに素敵で驚いたものですが、この家に住んでいたヘミングウェイの妻というのは、ハドリーではなかったことも、この本を読んでようやくピンときた次第です。

途中、キャラクターが結構いっぱい出てくるので、そこがややこしいかも。でもそれを補ってあまりあるのが、ハドリーの魅力的なキャラクターでした。とても感性が豊かで、それでいて地に足のついた堅実さがあるところが素敵。アーネストのみずみずしい雰囲気も魅力的だけれど、夫にしておくにはちょっと好奇心が強すぎてしんどいですね、この人は。でもアーネストの書いた手紙の文章などは、さすがに読ませる力を感じます。

パリやロワール地方、スイス、スペインのパンプローナでの闘牛、それからカリフォルニアのカーメルもちらっと出てきたりして、そうした各地の風景の描写もなかなか楽しめます。

The Paris Wife

The Paris Wife

ヘミングウェイの妻

ヘミングウェイの妻

キーウエストのヘミングウェイの家を訪れたときの記事はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/mimeyama+writer/20090526

アルファベットを覚えるなら「レター・ファクトリー・フォニックス」

アメリカにいたころ、幼稚園児がいるお友達の家庭には、ほぼ全部あったのがこのおもちゃ。
リープフロッグ社の、レターファクトリーフォニックスです。

ABCをはめこむと、発音してくれます。
冷蔵庫をマグネットボードにして、そこで遊びながらABCを覚えます。

B、だけでなく、「ブッ」という読むときの発音(フォニックス)も覚えられるのがいいですね。

アメリカK-12の教育政策・最先端レポート

このブログのまとめ本を書いている途中です。ノーチャイルド・レフトビハインド法について
調べているとき、すごいブログを見つけました。

リアクション大魔王さんの

アメリカ・K-12の教育政策・最先端レポート −データ分析の観点
http://ameblo.jp/terada1963/
お書きになっているリアクション大魔王さんは、アメリカで教育政策にかかわるお仕事をされていて、統計学がご専門。リーディングを含めた教育全般の現状について日本語で読めるというだけでも貴重、さらには最新情報や考察も鋭い、素晴らしいブログです。

自分の英語をなんとかしたい!! という方にはちょっと関係ないかもしれませんが、アメリカの読書教育はいったいどういうふうな考えで進められているのか知りたい方には、必読です。

The Paris Wife


いま英語の家庭教師の先生と読んでいる本を紹介します。

作家のヘミングウェイが4回結婚したうちの、最初の奥さんとの
出会いから別れまでを、奥さんであるハドリーの一人称で描いた小説
The Paris wife です。

まだ読んだのは半分ぐらいです。

家庭教師のギャラント先生が、アメリカでいまベストセラーになっていて
女性の集まるブッククラブでも、よくとりあげられている人気の本なのよと
紹介してくれて、読み始めました。

アメリカ滞在中、ヘミングウェイの家に行ったことがあります。

フロリダから、海の上の高速道路で島をいくつもわたって4時間ぐらいでしょうか、
キーウエストという島が高速道路1号線の終着点。

サザンモストポイントといって、アメリカで一番南にある場所です。

この島にヘミングウェイが住んでいたので、彼の家が観光名所になって
残っているんですね。

白い壁に緑色の屋根、二階建て、プールつきの家。

これまでヨーロッパの宮殿やアメリカの豪邸にはいろいろ行きましたが、
豪華さはそれほどでもないけれど、趣味のよさと居心地よさでは一番では
ないかと感じました。

キーウエストには、ヘミングウェイが通っていたというスロッピー・ジョー
というバーをはじめとして、酒場がいたるところにあり、そこには
ドラムセットがセッティングされていて、毎日夕方になるとライブが始まり
ます。私、ここに住みたい!!!!! と、歩いているときに思いました。

だから、ヘミングウェイといえば、キーウエスト。

と、勝手に思っていました。ところが、この本の舞台は、パリ。

若き日のヘミングウェイは、ハドリーと結婚して、新婚さんのうちに
パリに住むんですね。

なにしにパリへ?というのが、いくら読んでもいまいちわからなくて、
若干の雑誌原稿などの依頼もあったのでしょうが、それだけで食べられる
から仕事があるから行ったというわけでもなく、パリの文化的な香りに
引き寄せられて、パリに行けばいい作品が書けるんじゃないか的な理由
なのかなと。

まさに、パリのアメリカ人ですね。

いま、まだハドリーとヘミングウェイが破局を迎える前なのですが、
史実にもとづいたフィクションなので、結末はわかっているのですよね。

私が訪れたキーウエストは、ハドリーと別れたあとに住んだ場所
なんです。

ちょっと読むのは大変ですが、1920年代のシカゴ、そしてパリ、
若き日の魅力的なヘミングウェイ、そうそう、ハドリーはピアノの達人
でもあったんです。雰囲気だけでもなかなか楽しめます。

The Paris Wife

The Paris Wife

雑誌"Pen"のヘミングウェイ特集。ぱらぱらめくっていると
ヘミングウェイが世界中を旅した話なども出てきていい感じです。

家にこもって想像力を広げまくって書く人もいるのでしょうが、
ヘミングウェイは、でかけまくって書くタイプだったのでしょうね。

私もでかけて刺激を受けて、そこでテンションをが〜とあげて書くほうなので、
あちこちでかけるヘミングウェイの生き方には共感します。

ただね、配偶者も旅行の行先と同じような面があるんでしょうか、
彼は4回結婚しているんですよね。

旅行を沢山するのと配偶者を変えるのでは、わけが違うと思うのですが、
新しいことにワクワクしてしまう本能に従い、
多くの人を傷つけながらも、突き進んでしまったんでしょうね。

Pen (ペン) 2011年 4/15号 [雑誌]

Pen (ペン) 2011年 4/15号 [雑誌]

ところで英語のレッスンは、どんなふうにしているかというと、
しばらく家族や仕事のこと、お天気やニュースのことなどをおしゃべりしてから、
私が英語の本を音読し、時々わからない単語や文章があると、先生にこれって
どういう意味? これでいいの? と細かく確認していくわけです。

ときどき「その単語は私もわからないのよね。たぶんこういう意味だけれど、
覚えなくてても大丈夫よ」

なんてことがよくあるので、知らない単語にいちいち面食らわず、流せるようになって
きましたね。もちろんその逆で、「これは覚えておいたほうがいいわね」という
単語もあるんですけれども。

そんなふうなやりとりも英語を話す練習になっています。


日本にいると、マイアミとかカリブ海の情報は、なにしろ遠いのでなかなか
入ってきませんが、私はアメリカ滞在中にすっかりはまってしまいまして。

そのわりに日本に帰ってからはご無沙汰していますけれども、
時々、ご紹介させていただきたいと思っています。

ヘミングウェイの家を訪れたときのブログ記事はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/mimeyama+writer/20090526/1280688817